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​2024年 1月16

「楽しみながら食事をしてほしい。」

女子大生に伝えたい栄養バランスについて ―「1日3色」の食事―

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女子学生の声なき声や悩みに耳を傾け、社会に発信していく学生団体megaphONEは、健康に関するアンケートを実施し、その結果を踏まえ、女子大学生と栄養素の関わりについて専門家へインタビューをしました。

 今回インタビューに応じてくださったのは、株式会社ベルタ(本社:東京都港区、代表取締役社長:武川克己)が運営する女性のライフステージブランドBELTA専属の管理栄養士、鳴海菜々恵さん(以下鳴海さん)です。BELTA商品の監修や、利用者の食生活のアドバイスなど、幅広くサポートを行っています。

管理栄養士をしていた鳴海さんに、女子大生に不足しがちな栄養素について、5月25日にオンラインでインタビューを実施しました。

 

具体的な食事方法 

 

1.「3食の3色」を念頭に。

 

――女子大生に食生活に関するアンケートを行ったところ、「栄養面での食事の内容」と「時間や量などの食習慣」の大きく分けて2つの悩みが多いことが分かりました。栄養面では、バランスの良い食事がとれないこと、外食やコンビニ食など出来合いの物が多いことなどの悩みが目立ちました。このような栄養に関する悩みを解決するために、女子大生が抑えておくべき栄養に関する知識についてお伺いしたいです!


 

 みなさんが幼い頃によく言われた「赤・緑・黄色の食べ物を食べよう」を意識すると良いです。

 「赤い食べ物」は血や肉、骨になるタンパク質。

 「黄色い食べ物」は熱や力になるエネルギー源の炭水化物。

 「緑の食べ物」は体の調子を整える野菜。

 この3色が揃った食事をするというのは、みなさんが幼稚園や保育園に通っていた頃に教わった基本的な知識を、現在の食生活に活用できているかを見直してみましょう。

 

――バランスの良い食事を心がけていても、どうしても間食をしたい場合はどのようなことを意識するべきでしょうか。

 

 1食分の3分の1くらいの量の間食が理想です。また、バイトや授業などで3食摂れない場合もあるかと思います。そんな場合は食事の補助として間食を摂ると良いです。朝スープだけだったのであればサラダチキンでタンパク質を摂る、フルーツを食べる、などで足りない栄養を補助として摂りましょう。

 

――成長期の女子学生に積極的に食べてほしいものはありますか。

 

 若者は特にタンパク質・カルシウム・鉄分・葉酸が不足しやすいです。年齢が上がってから辛くなるため、今から摂取することを心がけましょう。カルシウムはビタミンDと一緒に摂ると吸収率が高まるので、きのこなどと一緒に食べたり、紫外線を浴びたりすると良いです。鉄分が不足することで産後鬱のリスクがあります。生理によって定期的に血が失われ、不足しがちなため女性は特に気をつけましょう。「1日3食で摂り切れなかった栄養素を間食で補う」という意識であれば、太るかもしれないという危機感を剥がせるかと思います。臨機応変に判断しながら、適度に間食をしましょう。

 

2.緑黄色野菜は冷凍しても栄養素の損失は少ない。鍋やスープにすると栄養を失わずに体に取り入れることができる。

 

――大学生になると、一人暮らしをはじめる人もいます。一人暮らしだと生鮮食品の消費に時間がかかってしまいがちですが、食品内の栄養素を失わずに保存する方法はありますか。

 

鮮度は命なので、一番は買ってすぐに食べることです。日持ちするものは作り置きをしておくことも必要です。缶詰にも栄養があるので積極的に摂りましょう。

作り置きをせずにそのまま保存する方法として、冷凍保存が一番良い方法かと思います。多少栄養価は落ちますが生野菜も冷凍して問題はないです。冷凍保存する場合は淡色野菜より緑黄色野菜。また鍋やスープのように汁ごと飲める調理方法だと栄養素の損失を最低限に抑えることができます。

 しかし一番良い方法は、買ってすぐに消費することなので、自分が消費できる量を購入するべきです。一人暮らしだとキャベツもひと玉使い切ることは難しいと思います。お店なら半玉でも購入可能なので、自分の消費量に合った買い方をしましょう。

 

3.食品添加物は悪いものではないが、亜鉛の吸収を妨げてしまう。

 

――コンビニやファストフードを利用する際の注意点と食品に含まれる食品添加物についての相関関係を教えてください。

 

食品添加物というのは本来、日持ちしない食品の保存期間を延ばすために工夫されたものです。ラーメンや麻婆豆腐など、油分や塩分が多いと保存期間が短くなってしまいがちですが、食品添加物のおかげで長期間の保存ができるのです。しかし、食品添加物やファストフードなどの加工食品は、亜鉛の吸収を阻害してしまいがちです。不足しないよう、適宜亜鉛を身体に取り込むことも必要です。赤身肉や卵、納豆から摂取できますが、サプリで摂っても問題ないかと思います。

 

――食生活のアンケート結果の2つ目として、「食習慣」に関する悩みが明らかになりました。大学生はバイトやサークルなどで時間に追われて食事を疎かにしがちです。時間に余裕がないときにおすすめのバランスのとれた食事はありますか。

 

 コンビニでも外食でも、サラダやマリネなどで野菜とタンパク質が摂れると良いです。近年、野菜とタンパク質が摂れていない「新型栄養失調」の若者が増加しています。エネルギーを中心に摂ればいいという考えではなく、食事ごとに栄養バランスを整えることを意識してください。

 

――食事ごとの栄養バランスとありますが、ファストフード、コンビニなどの外食を使用する頻度に制限を設けるべきでしょうか。

 

 外食と自炊を差別化する必要はありません。自炊でも毎日ラーメンだったら体に悪いし、外食でもしっかり栄養を摂ることはできます。しかし、もし外食の頻度が高いのであれば「和食」を選択すると良いと思います。また、主食・主菜・副菜を意識するために、丼より定食にして品数を多様にできる食事が望ましいです。洋食でもサラダやフルーツをつけて調整しましょう。生野菜やフルーツはカリウムが豊富なため不要な塩分を排出してくれます。食事後は適度な運動をすることがおすすめです。

 

前半のまとめ

 栄養士の鳴海さんから具体的な食事方法について教えていただき、栄養バランスを意識することが健康的な身体づくりに結びつくことがわかりました。女子大生に不足しがちな栄養素を取り入れて、食事年齢や生活リズムの変化に合わせた食事に取り組んでいきたいですね!

 次回はインタビューの後半を発信します。「女子大生が疎かにしがちな"食べること"は、なぜ生きるために必要不可欠なのか」を明らかにします。お楽しみに!

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